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副業推奨は終身雇用崩壊の序曲 〜今、自分たちが置かれた状況をどう突破するか(参考書も掲示)

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こんにちは。IT/経済ジャーナリストで投資家の渡辺です。

最近、副業解禁に関する議論や記事をよく目にすると思いませんか?

たとえば、こんな記事がよく読まれているようです。

https://newspicks.com/news/3004321

ここに社会構造の大きな変化が見えます。

<参考書>

 

日本の国難 2020年からの賃金・雇用・企業 (講談社現代新書)

その意味するところと、その中でどう生きていくべきかを考察してみたいと思います。

<この記事のサマリー>

最近、多くの企業で「副業」が解禁されてきている。それは政府や企業はもう世話できないので、自分で自分の食い扶持を稼げというメッセージである。遠くない未来に、保護がなくなるが、発想を変え、自分の強みを見つけて追求し始めることで活路を見出していくといいだろう。

20世紀は幸福な時代?

20世紀中盤から後半、つまり太平洋戦争からの復興を経て、日本は驚異的な経済成長を成し遂げました。また人口も右肩上がりで増えていました。

とはいえ平均寿命はまだ60歳前後だったので、55歳で定年になり、そこから国と企業から年金をもらい、老後をのんびりと楽しみ、10年弱くらいでこの世を卒業する、というのが会社員となった男性の平均的な人生でした。

経済は順調に成長し、人口も増えていったので、下の世代の保険料で引退世代を養うことも無理なくできました。

また中堅以上の企業でも、企業年金で引退した従業員を養う体力がありました。

本来、福祉は国家の機能ですが、好調な経済を背景に、ある意味、国家の機能を企業に丸投げしていたのです。

税金の源泉徴収など、同じような「丸投げ」はいくつもあります(怒)。

日本最強説はもちろん、日本経済は永遠に成長すると言い出すエコノミストまで現れましたが、ご存知のとおり1990年代に入るとバブル経済は弾け、低成長時代になり、さらには少子高齢化で人口減少に転じてきました。

<参考書>

NHK欲望の経済史 日本戦後編 年表とトピックでいまを読み解く ニッポン戦後経済史

長寿化と年金基金の破綻

ここ数年、中小の年金基金の破綻や解散が相次いでいます。

大きな課題としては、定年で引退した保険の受給者が増える一方なので、年金の原資を増やさないといけません。

現行の仕組みで年金原資を増やすには、1)現役世代の人数を増やす、2)現役世代の負担を増やす、3)運用で資金を増やすの3つしかありません。

ところが、人口減少で現役世代は減る一方、低成長で現役世代の収入も増えず、しかも低金利どころかゼロ金利で資金を安全・安定して増やす投資先もありません。

おもに中小企業の健保組合で、年金保険の負担に各企業が悲鳴を上げ、基金が存続できなくなってきたということです。

余談ですが、こんな状況でたくさんの小規模な健保組合がAIJの詐欺に引っ掛かって、年金原資をぶっ飛ばしてしまったわけです。「美味い話が自分だけに来るハズがない」という健全な感覚を持つことは、投資の大原則でもあります。

<参考書>

社会保障亡国論 (講談社現代新書)

政治の力で年金制度を根本から変えようとしても、現在その受益者であり、人口的にもボリュームゾーンである高齢者層が支持しないので、選挙で通る見込みはかなり低いでしょう。

抜本的に仕組みを改革できないなら、後は現行制度の中で、以下のように調整するしか選択肢がありません。

  1. 少しずつ社会保険料の料率を上げていく(すでに始まっています)
  2. 支給開始年齢を上げる(現在65歳ですが、いずれ70、75歳と段階的に上がっていくでしょう)
  3. 支給金額を下げる

いずれにせよ、我々の世代やそれ以降の世代は、老後も何かしらの手段で生活費を捻出しないと生きていけなくなるのです。

しかも女性より短命な男性でさえ、平均寿命が80歳を超えました。

この先もし人生100年になれば、60歳で定年した後、40年間をどう過ごすのか、その間の生活コストをどう捻出するのかという問題が避けられません。

<参考サイト>

AI投資による自分年金研究室

サラリーマンって特殊な存在?

終身雇用と滅私奉公は日本の伝統という人がたまにいますが、間違っています(苦笑)。

夏目漱石の「吾輩は猫である」で、「猫」の飼い主の英語教師が近隣に住む実業家一家と折り合いが悪く、しょっちゅう悪口を言っていますが、20世紀初頭の段階で実業家、つまり会社勤めのサラリーマンは少数派だったのが分かります。

吾輩は猫である (まんがで読破)

江戸時代でも、武士階級は主君に滅私奉公することが要求されていたかもしれませんが、人口の9割を占める庶民階級には関係のない話でした。

つまり20世紀初頭までは、誰かに死ぬまで面倒見てもらうなんて仕組みもなく、自分の食い扶持を自分で何とかするというのは、当たり前の生き方だったのです。

そもそも人口の大半が農民でしたし。

会社に守ってもらう代わりに深夜残業や地方転勤も受け入れ、余計なことは考えずに会社に人生を預けるというのは、20世紀中盤から後半の、人類の歴史上のある1ページに過ぎないものだということです。

そして、ある意味、幸福な、特別な時代が終わって、また20世紀初頭へと回帰していくところと言えそうです。

 

まとめ:自分で自分の生き方を開拓していく

ただし、昔と違うのは社会には自由もあり、不完全ながらもセーフティネットもあり、テクノロジーの進歩で個人レベルでも低コストでいろいろとなビジネスを起こせる環境はあるということです。

ポシティブに捉えると、今は自分は何をしてどう生きていきたいのかを見つめ直すチャンスだとも言えます。

<参考書>

「産業革命以前」の未来へ―ビジネスモデルの大転換が始まる (NHK出版新書 550)

まだ会社や社会の庇護がなくなるまでは、もう少し時間はあります。

まずは会社を離れた個人として、自分はどう生きたいのか、何をやりたいのか、再考したり、時間やお金が許す限りいろいろトライしてみるのがいいでしょう。

その中で自分は、これをやりたい、こういう風に生きていきたい、これを追求してみたい、これに情熱を注ぎたいという感触が得られてくると思います。

その感触を土台に、ではどうすればマネタイズできるのか、言い換えればお金がコンスタントに流れ込んでくる仕組みを作っていくかということが、自分自身の「経営者」として取り組むべき、重要な人生戦略になっていきます。

副業で培った仕組みは、定年以降の生活コストを産み出すものです。

人生100年時代に、定年過ぎてからも10年も20年も時間や労力を単純に切り売りするのは勿体無いので、自分のやりたいことであったり、使命であったり、とにかく情熱を傾けられるものに出会うべく、いろいろ試してみるべきです。

月30万円を1つの目標に

終身雇用が終わったら、一瞬で露頭に迷うというような不安を感じる方もいます。

しかし冷静に考えれば、これから人口減少で家が余って値崩れし、住居コストは(都心のタワマンでない限り)上がることはないかと思います。空き家も増えるので、リフォームで安く買えるでしょうし。

また、シェアリングエコノミーで贅沢品から道具類まで、使いたいときに使いたい分だけ気軽に使うというスタイルが主流になり、生活コスト自体は上がることはないと思います。

つまり、現在の物価水準なら月に30万あれば、生活できます。

地方都市で子供もいなければ、その半分の15万円でも大丈夫そうです。

そこからブレイクダウンすれば、毎月10万円得られるフローを3本作る、5万円のフローを6本作る、3万円の仕掛けを10本作って運用するなど、具体的なアイデアやアクションにつながっていくかと思います。

<参考書>

これは「人生戦略」を具体化する「人生戦術」となります。

多くの人がいろいろ試行錯誤する中から、もしかして新しいビジネスや産業が生まれたり、そうでなくても既存の仕組みの改良につながったり、そこから日本社会が活性化されることも期待されています。

<参考書>

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

何かの歌にありましたが、ワクワクを羅針盤に、まずは少しでもやろうと思ったことは、一度でも実際に体験してみる、という生き方の方がチャンスを掴むでしょう。

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