こんにちは。IT/経済ジャーナリストで投資家の渡辺です。
近い将来出てくると思いましたが、まさかもうこのようなサービスが出てくるとは(執筆している1月19日ではアルファ版なので、正式なサービスではありませんが)。
何とGoogleはシステム構築やプログラミングを行わなくても、学習させたいデータをシステムに読み込ませるだけでプログラミングができるツールを公開しました。
Google Cloud AutoML: https://cloud.google.com/automl/
これまでAIを使うには、専用の環境やライブラリまでは用意されているものの、その環境設定やある程度自前でプログラミングをして、そのライブラリが提供する機械にデータを読み込ませて学習させる機能や学習した内容をアウトプットする機能、また学習内容をユーザーの利用意図に合うように微調整するなど、専門家が介在する必要がありました。
ところが、このようなサービスが出てくると、ややヘビーユーザーがアプリを使うような感覚で、大量のデータを読み込ませ、いくつかの設定や微調整を行うということで、まずは限られたスコープ(範囲)内ではありますが、AIアプリを作成し、公開できるようになってきます。
また自前で高性能サーバーを用意しなくても、ネット上のクラウドシステムを使うことで、
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今回のサービス、Cloud AutoML Visionは画像処理に特化しており、ユーザーは、学習のもとになる画像データを用意し、Webブラウザからドラッグ&ドロップでアップロードします。これだけで、自動的に機械学習が開始されます。
データの量にもよりますが、読み込んだデータを処理して学習させれば、1日程度でその結果をAIアプリケーションとして使えるようになるようです。曖昧な入力や問い合わせに対して、何かを判断して回答してくれるような仕組みがすぐに実現できそうです。
鍵となるのは学習の材料になる元データで、そういう意味ではビッグデータを持っている会社にとってはAIを活用しやすい状況ができつつあるでしょうし、そこまで行かなくても、何かまとまったデータを持っていれば、そのデータを元にアプリケーションを作ったり、(アプリほどでなくても)自動化ツールを作ったり、人間の時間や手間暇をかなり省力化することが出来つつあります。
たとえば私たちが日々使っているパソコンやスマホの日本語処理エンジンについても、学習機能があり、よく使ったり直近で使った単語や語句を優先的に候補に出したり、打ち間違いのパターンなどを先回りして本来打ちたかったであろう語句を候補に出したりしています。
このようなAI技術を使ったもの、またそこまで行かなくてもAIもどきの技術でも、かなり私たちの生活に入っていて、それを単に使うだけでなく、自分でもセットアップしてやりたいことができるようになりつつある。そんな近未来を予感させるニュースでした。
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