【副業】税制に見る今後の生き方

こんにちは。IT/経済ジャーナリストで投資家の渡辺です。

ニッポンという国の借金が凄いというニュースと、その後に破綻の可能性があることを先日投資研究サイトの方で議論しました。

参考:国の借金と日銀人事 〜あるいはリフレ派経済学の終焉

しかし、消費税を8%から10%にするかしないかでずいぶん議論になり、野党はここぞとばかり政権を追求していますし、与党に近いところでも「今増税したらせっかくの景気が腰折れになる」と発言する人もいて、財政再建の道は遠そうです。

ところが、消費税云々の裏で、気づかれにくい社会保障費(取るところが国税でなく、旧社会保険庁、現在は年金機構や全国健保協会などに引き継がれていますが、取られる側からしたら税であることは同じです)はじわじわと引き上げられています。

少々給与が上がったところで、もっとも日本の財政を圧迫している社会保障費のために社会保険料をがっつり取られているので相殺されています。

このまま手取りは増えないどころか、隠れた税金の作用でじわじわと減っていくことになるでしょう。

増税に見る国家の意思

税金の取り方には、その国の財政的な思想が出ると言います。どのように財政を運営するのか、はたまた中長期的にどのような国を作っていくのか。

直接税で高所得者からがっぽり取ったり、あるいは消費税で消費するところで取ったり。さらに福祉をしっかりする代わりに高い税率か、税率は低い代わりに社会保障はあまり充実させず、自助努力を基本とするとか。

残念ながら日本は社会保障の負担が先進国でもずば抜けているので、今後は高い税率+低い保障の世界へまっしぐらですが。

実際は日本はあまり思想は感じられず、とりあえず取りやすいところ(=サラリーマンや喫煙者、クルマの所有者)から取ろうという、近視眼的で安易な姿勢は感じられます。

ところが2020年から施行されるという今度の税制には、いくつかの意思が感じられます。

非正規やフリーランスの世界へシフトする?

まず、基礎控除を一律10万円引き上げます。給与所得控除は一律に10万円減らすので、サラリーマンにとっては差し引きゼロですが、自営業者にとっては少し減税と同じ効果があります。

次に控除の上限をこれまでの1千万円から850万円に引き下げます

穿った見方をすると、企業の規模や性別、学歴といった属性を全部取っ払ったサラリーマンの平均年収が400万円ちょっとですから、平均の2倍以上は贅沢とみなす、ということでしょうか。

外資系企業の方が一般に給与レベルが高いように、日本の会社は先進国の中では決して高い訳ではないのですが。

大企業の課長以上の役付きや中高年はこのくらいの金額に達している可能性は高いので、その辺りの階層がメインターゲットになっていると言えます。

さらに2,400万円超の高所得者の基礎控除は縮小されます。これまでも控除後の所得が2千万円を超えると半分近くが税金でした。

2千万円を超えると確定申告なので多少経費等が控除できるかもしれませんが、それでもサラリーマンの場合はある程度ガラス張りなので、半分か下手するとそれ以下しか手取りがないかもしれません。

逆に非正規であったり、フリーランスであれば、経費が認められるという点も含め、税負担は軽くなるようです。

つまり、税制から見えてくる流れは、忠誠と引き換えに福祉を含めて身分が守られた正社員の地位が今後は縮小され、逆に自分のお金は自分で稼ぎ、自分の身は自分でケアする、自助的な生き方が求められることになるように思われます。

楽しみつつ稼ぐことに対する嗅覚を鍛える

多少の理不尽に耐えつつ、なるべくリスクは取らず、目立たないよう、それでも叱られない程度に働いたり、あるいは逆に深夜残業も厭わずに頑張り、それでも会社の庇護を受けて何とか定年まで逃げ切り、退職金と年金をもらって80歳前後まで生きる、という人生モデルは、だんだん難しくなってきます。

会社も国も、だんだん面倒は見てくれなくなってきます。

自分で自分の人生をデザインする、そしてどういうスタイルで働いてどの程度の収入を得て、その中で自分の人生の価値や面白さをどうやって最大化するのか。

これまで思考停止していたテーマについて、考えることが必要となってくるでしょうか。また、どうやって収入を得るか、ゲーム感覚で試行錯誤し、自分の好きなこと、自分が楽しめることで生計を立てられる人がヒーロー、ヒロインになる時代になるかと予測しています。

思考停止している人にとってはシビアかもしれませんが、試行錯誤できる人、リスクが取れる人、そこから価値を産み出したりマネタイズできる人が増えて、世の中を活性化し、面白くする

まずは副業という形でなくても、自分の好きなこと、関心のあること、興味を引くことを手当たり次第に触れてみること、その中で思わずハマってしまうものが見つかれば、そこにヒントがあるはずです。

泣いても笑っても限りのある人生だし、我々中高年はもう残り時間のカウントダウンも始まっています。大変な毎日の方も多いですが、死ぬ時に悔いを残さないよう、少しでも楽しいこと、やりたいことをやり、そこから(小規模でも)思わぬ収入の道が見つかる、そんな展開を目指したいところです。

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