こんにちは。IT/経済ジャーナリストで投資家の渡辺です。
先般もNHKの朝番組で特集され、つい熱心に見入ってしまいました。
実は編集人がWebを見ていると、よく発達障害やADHDのアドセンス広告が表示されます。もしかして他人事ではないのかもしれないと思ったりもします。
興味を持って、こんな本を読んだこともあります。
一説には10数人の1人とも言われていますが、少なくない確率で発達障害の方がいて、生きづらさを感じたり、毎日つらかったり、ひどい場合には自分を否定してうつ病になったり、自殺につながったり。
数が少なければいいという訳ではありませんが、少なく見積もって20人に1人の割合だとしても、少なくても6千万人の人が悩んだり苦しんだりしている可能性があります。
症状や悩みは、音や光の刺激が耐え難い、集中できない、漢字が書けない、計算ができない、など千差万別なようです。
個人的には、現在まで滅びずに生き残っている個体の特徴というのは、生物の進化や種の保存、または個体のサバイバルに必要だったからだと考えています。
そのため、たとえば原始時代や古代であれば、自然のわずかな変化を知覚できる能力は、厳しい自然環境の中で生き残るには役立ったかもしれません。
ところが、科学が発達し、社会の仕組みが整備された現代では、それは過剰な能力になってしまい、かえって世の中の刺激に苦痛を感じている、なんて状況かもしれません。
テクノロジーで苦手をサポート
人間の五感からは、1秒間に何万もの刺激(=情報)が入ってきていると言われています。
全部相手にしていたら、処理し切れずに大脳がすぐに疲弊して、動けなくなってしまうでしょう。
でも実際は不要な情報を切り捨て、切り捨て、本当に必要な数件の情報だけが意識に上るようになっています。
うるさいパーティ会場でも、話し相手の声だけが聞こえる。
「カクテルパーティ効果」と呼ばれますが、本来は不要な情報は適切に切り捨てられ、必要な情報にフォーカスする機能があるのです。
この切り捨てる機能の代わりに、暗めのサングラスで光を弱めることが可能です。
また人の多い場所でノイズの中から相手の声を聞き分けるため、ノイズキャンセラー機能のイヤフォンを着けて、余計なノイズを低減させることができます。
人工知能によるサポート
計算ができない、会話はできるのに文字の読み書きができない、という学習障害というのも、発達障害の1つです。
小中学校の頃に、国語の時間に当てられてもまったく音読ができない同級生とかいましたが、今から思うと、学習障害だったのかもしれません。
当時はどうしようもなかったですが、今はスマホの音声認識機能があり、また読み上げ機能もあり、会話ができれば、読むのも書くのも機械にやらせることができます。
書くのは苦手でも、音声でテキストを作成し、それを校正する作業であれば、大幅に時間を節約できそうです。
また計算については、かなり以前から電卓もあり、計算は機械にやらせることができます。
さらにAIスピーカーを使えば、数式を話しかければ、計算結果を返してくれます。
今の教育の仕組みは、誰でも一定の知的能力や運動能力があるという前提で成り立っています。
しかし実際の自然界は、同じ生物でもかなりバラツキがあるように作っていると思います。
多様性により種の生き残る可能性は高まりますが、たまたまその時の社会環境に合わない個体にとっては、とてつもない生きにくさを感じることになります。
今後、テクノロジーの利用によって、ますます社会的な問題を解決できる可能性が広がってくるのでしょう。
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