こんにちは。IT/経済ジャーナリストで投資家の渡辺です。
機械学習のテクニックを用いて、人が使う言葉を分析したところ、うつ病になる人の使う言葉には、ある種の特徴が見られたという研究成果がニュースになっていました。
参考:
紹介記事: http://gigazine.net/news/20180209-depression-use-language/
原典: https://qz.com/1198671/depression-warning-signs-pay-attention-to-the-words-they-use/
そこで出てきた特徴として、まず1つ目は、ネガティブな言葉が多いこと、もう1つは三人称の代名詞が少ないことで、うつ病になりやすい人の傾向として、物の見方が悲観的であることや他者とのつながりが弱いことが指摘されていました。
また、中間や曖昧さより、白黒はっきりさせたがる傾向が見られると危ない点も挙げられていました。オールオアナッシングの考えに囚われてしまい、余裕を持った考え方ができなくなるということでしょう。
●大量のデータを分析する研究が効率化される
日本人は脳内物質であるセロトニンが少ないので、幸福感を感じにくいという研究結果や、同調圧力が強く、たとえ合理的であっても人と違うことや変割ることが許容されにくい日本社会の性質など、日本人にうつ病が出やすい原因とその対策は、そう簡単ではないと思います。
それでも、統計的な研究で大量のサンプルを扱い、そこから仮説を立てて実証するサイクルを繰り返して結論を導き出す、という手間と時間の掛かる作業をAIに実行させることで、ある種の研究にとっては効率化に役立ち、また今回のケースでいえばうつ病予備軍の検知に役立って予防や改善につなげたりなど、社会的な問題の発見と予防に役立つことが分かります。
すでに病気の診断でも、膨大な医学論文を読み込ませたAIが人間の医師がなかなか判別できなかった病名をすぐに特定したことが話題になっていたり、高度な専門性を要する分野でも、AI利用で大きく生産性の向上が期待できそうです。
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